大学の入学金と初年度費用はいくら?国立・公立・私立を比較【2026年版】
大学入学初年度は「支出の集中」が起きます(2026年10月1日時点)
大学入学の年は、入学金・授業料・施設設備費・教材費・引越し費用(一人暮らしの場合)が一気に発生します。高校3年生の秋から翌春にかけての1年間に、数百万円規模の支出が集中するケースもあります。
2026年10月1日時点の目安では、国立大学の入学金の標準額は282,000円(約28.2万円)です。私立大学の入学料の公表平均は240,365円(約24.0万円)です。授業料・施設設備費を合わせた初年度は、国立の標準額で817,800円(約81.8万円)、私立は授業料・入学料・施設設備費の公表平均1,380,983円(約138.1万円)です。実験実習料なども含めた私立の初年度学生納付金等の総計は、文部科学省の令和7年度調査で平均1,507,647円です。この調査は隔年で、令和7年度分は2025年12月に公表されています。2026年10月1日時点で参照できる最新値です。
高校の就学支援金は授業料の一部補填であり、対象は授業料のみです。入学金・施設費・教材費・通学費は対象外で、大学の入学金を就学支援金で賄えるわけではありません。令和8年4月の就学支援金の月額上限は、私立高校全日制38,100円(年457,200円)、公立高校全日制9,900円(年118,800円)です。2026年10月1日時点も、この対象範囲です。大学等の修学支援新制度は、授業料と入学金を国が定める上限まで減免しますが、施設設備費・教材費・通学費は対象外です。授業料の一部補填であり、初年度費用がゼロになる制度ではありません。
大学の入学金・初年度費用(設置者別)
国立大学
国立大学の学費は、文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」が定める標準額を目安に、各大学が定めます。標準額は上限ではありません。特別な事情があるときは、標準額の20%増まで各大学が設定できます。2026年10月1日時点でも、多くの国立大学は標準額に準じています。一部の大学は、令和8年度の入学者から授業料を642,960円(標準額の20%増)に改定しています。改定を公表している大学でも、在学生には適用しないとする例があります。入学する年度の募集要項で確認してください。入学金の標準額は282,000円です。
| 費目 | 金額(標準額) |
|---|---|
| 入学金 | 282,000円 |
| 授業料(年額) | 535,800円 |
| 施設設備費 | 原則なし |
| 初年度合計 | 約817,800円 |
出典:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令、文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」(国立大学の標準額)
国立大学の施設設備費は原則として別途徴収されません(一部例外あり)。標準額どおりなら、初年度の費用は入学金+授業料の約82万円が目安です。授業料を642,960円に改定した大学では、入学金を合わせた初年度は924,960円(約92.5万円)になります。高校の就学支援金は大学の入学金・授業料には使えません。
公立大学
公立大学は設置する自治体によって金額が異なりますが、概ね国立大学に近い水準です。
| 費目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 入学金(域内出身者) | 141,000〜282,000円 |
| 入学金(域外出身者) | 282,000円程度 |
| 授業料(年額) | 535,800円程度 |
| 初年度合計目安 | 約68〜82万円 |
公立大学の多くは「住民(出身地)の入学金」を減額する制度があります。地元の公立大学を受験する場合は入学金が半額以下になるケースもあります。
私立大学
私立大学は学校・学部ごとに費用が異なります。令和7年度の文部科学省調査による全平均は以下のとおりです。
| 費目 | 令和7年度平均 |
|---|---|
| 授業料 | 968,069円 |
| 入学料(入学金) | 240,365円 |
| 施設設備費 | 172,550円 |
| 初年度合計(上記3項目) | 公表平均1,380,983円(約138.1万円) |
出典:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査」(学部)。資料の3項目合計は1,380,983円です。授業料・入学料・施設設備費の平均を足すと1,380,984円になり、端数処理で1円ずれます。
実験実習料(平均30,290円)とその他納付金(平均96,374円)を含めた初年度学生納付金等の総計は1,507,647円です。施設設備費は2年目以降も毎年徴収されることが多いです。2年目以降は入学金がない分、授業料と施設設備費の平均を足すと年1,140,619円(約114.1万円)です。学校によって施設設備費の有無は異なります。
国立・公立・私立の初年度費用比較
| 設置者 | 初年度合計(目安) | 2年目以降(年額・目安) |
|---|---|---|
| 国立大学 | 約81.8万円 | 約53.6万円(授業料のみ) |
| 公立大学 | 約68〜81.8万円 | 約53.6万円 |
| 私立大学(平均) | 約138.1万円 | 約114.1万円(授業料+施設設備費) |
私立大学は国立の標準額と比べ、初年度で563,183円(約56.3万円)、2年目以降は年604,819円(約60.5万円)の差です。4年間では2,377,640円(約238万円)です。
(計算:初年度 1,380,983−817,800=563,183。2年目以降(968,069+172,550−535,800)×3=1,814,457。合計2,377,640)
授業料を標準額の20%増(642,960円)にした国立大学では、この差は縮みます。上の差額は、標準額の大学との比較です。
修学支援新制度との関係(2026年10月1日時点)
高等教育の修学支援新制度は、授業料と入学金を国が定める上限まで減免する制度です。2025年度(令和7年度)からの多子世帯支援も、この授業料等減免の枠組みです。2026年10月1日時点(令和8年度)も同じです。減免には上限があり、施設設備費・教材費・通学費は対象外です。授業料の一部補填であり、費用がゼロになるわけではありません。申請しなくても全員が受けられる制度ではありません。多子世帯について所得の上限がないのは、減免の家計基準の話です。手続きなしで全員が受けられるという意味ではありません。
高校の就学支援金の対象は授業料のみです。入学金は対象外で、就学支援金で大学の入学金が賄われるわけではありません。所得制限の有無にかかわらず、対象範囲は変わりません。令和8年4月の月額上限は、私立高校全日制が38,100円(年457,200円)、公立高校全日制が9,900円(年118,800円)です。この上限でも、入学金には充当されません。2026年10月1日時点も、この対象範囲です。
| 費目 | 修学支援新制度(大学等) | 高校の就学支援金 |
|---|---|---|
| 授業料 | 上限まで減免 | 対象(授業料のみ) |
| 入学金 | 上限まで減免(入学年) | 対象外 |
| 施設設備費・教材費・通学費 | 対象外 | 対象外 |
JASSOが示す大学の減免上限(単位未満四捨五入)は、次のとおりです。
| 区分 | 授業料減免上限 | 入学金減免上限(入学年) |
|---|---|---|
| 国公立大学 | 年約54万円(535,800円) | 約28万円(282,000円) |
| 私立大学 | 年約70万円(700,000円) | 約26万円(260,000円) |
私立大学の平均入学料240,365円は上限26万円の内側に収まりやすい一方、大学によっては超過します。私立の平均授業料968,069円に対する減免上限は70万円なので、差額の約26.8万円は毎年の自己負担として残ります。入学前の3〜4月に一括納付が求められることが多く、減免の認定前に立て替える場合もあります。認定前の立替が戻る時期は学校によって異なります。事前に窓口へ確認してください。
滑り止め私立の「入学金二重払い」問題
私立大学を「滑り止め」として受験し合格した場合、合格後の手続き期限(多くは国公立大学発表前)までに入学金を納付しなければ合格が失効します。
その後、本命の国公立に合格した場合、すでに納付した私立の入学金は原則として返金されません。
| 状況 | 発生する費用 |
|---|---|
| 私立1校に入学手続き後、国公立に合格 | 私立の入学金(約24万円)は返金なし |
| 私立2校に入学手続き後、本命私立へ進学 | 滑り止め校の入学金(約24万円)は返金なし |
受験前に各大学の「入学金返還ポリシー」を確認し、どのタイミングで何を支払うのかを把握しておくことが重要です。
初年度に発生するその他の費用
入学金・授業料・施設設備費以外にも、大学入学時には以下の費用が発生します。
| 費目 | 目安 |
|---|---|
| 教科書・教材費 | 50,000〜100,000円(初年度は特に多い) |
| 実験・実習費 | 理系学部で50,000〜100,000円程度 |
| 学生会費・後援会費等 | 10,000〜30,000円 |
| 引越し費用(一人暮らしの場合) | 100,000〜300,000円 |
| 家電・家具(一人暮らし初期費用) | 150,000〜400,000円 |
| 家賃敷金・礼金(一人暮らし) | 家賃の2〜4ヶ月分 |
一人暮らしを始める場合、引越し・初期費用だけで50〜100万円以上かかるケースもあります。学費と合算すると、大学入学の初年度だけで200万円超の支出になる家庭も少なくありません。
よくある誤解 Q&A
Q. 国立大学は私立より大幅に安いですか? A. 授業料・入学金の標準額で比べると、国立の方が安いです。私立の3項目の公表平均1,380,983円と、国立の標準額817,800円の差は563,183円(約56.3万円)です。一人暮らしが必要かどうかで、この差はそのまま残りません。JASSO令和6年度調査(大学学部昼間部)の学生生活費(学費と生活費の合計)は、国立の全体平均1,577,100円、私立の全体平均2,160,300円です。居住形態別では、国立のアパート等が1,800,700円、私立の自宅が1,905,400円で、差は104,700円(約10.5万円)まで縮みます。
Q. 施設設備費は毎年かかりますか? A. 学校によって異なりますが、多くの私立大学では毎年徴収されます。入学金だけが初年度の一時費用で、施設設備費・授業料は在学中毎年かかります。修学支援新制度の対象外です。
Q. 医学部・薬学部はさらに高いですか? A. はい。私立大学の医学部・薬学部は6年制のうえ、授業料・施設設備費が一般学部より大幅に高く、6年間で3,000〜4,000万円以上になる場合もあります。この記事の数値は全学部・全大学の平均です。
Q. 就学支援金で入学金も出ますか? A. 出ません。高校の就学支援金の対象は授業料のみで、入学金は対象外です。大学等の修学支援新制度は、入学金を上限まで減免しますが、施設設備費・教材費・通学費は対象外です。
Q. 国立大学の授業料はどこも年53.6万円ですか? A. 標準額は年535,800円です。2026年10月1日時点でも多くの大学がこの額ですが、省令の範囲で20%増(642,960円)まで定める大学もあります。改定は令和8年度以降の入学者が中心で、在学生まで同じ額とは限りません。入学金の標準額は282,000円です。修学支援新制度の授業料減免上限は国公立で年535,800円なので、標準額を上回る授業料の差額は自己負担になります。
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出典・参考資料
- 文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査」
- 私立大学の初年度学生納付金等の推移(PDF)
- 国公私立大学の授業料等の推移(PDF)
- 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(e-Gov)
- JASSO「多子世帯支援について」(授業料等減免の上限)
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
- JASSO「給付奨学金の支給額」
- JASSO「令和6年度学生生活調査」
- 令和6年度学生生活調査結果(PDF)