自治体別補助金

東京都の私立高校無償化は所得制限なし?対象外と実質負担【2026年版】

更新日:2026-09-30 / 高校生(全学年) / 私立高校授業料実質無償化

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

東京都の私立高校無償化は「所得制限なしで授業料がすべて無料」ではない

東京都の私立高校に関するニュースでよく目にする「所得制限なし・無償化」という表現。2024年度から東京都は所得制限を撤廃し、2026年9月30日時点(令和8年度)も所得の上限はありません。ただし、これは条件なしで全員の費用が消えるという意味ではありません。授業料を含むすべての費用が無料になったわけでもありません。

支援の対象は授業料のみです。入学金・施設整備費・教材費・制服代・通学費・塾代は、これまでどおり全額自己負担です。国の就学支援金と都の授業料軽減助成金を合わせても、全日制等の上限は年50万1,000円までです。授業料がこれを超える学校では、超過分も自己負担になります。国籍・在留資格の要件を満たさない場合は、所得に関係なく新制度の対象外になることがあります。

この記事では、2026年9月30日時点(令和8年度)の東京都の私立高校授業料支援の仕組みと、家庭が負担する費用の全体像を解説します。数値と申請日程は、文部科学省・東京都生活文化局・東京都私学財団の公表に沿っています。


東京都の授業料支援はどんな制度か

国の就学支援金に東京都が「上乗せ」する仕組み

東京都の私立高校授業料支援は、以下の2つの制度が組み合わさって成立しています。2026年4月時点の上限は次のとおりです。

制度 運営 補助額(年間) 所得制限
高等学校等就学支援金 国(文部科学省) 上限457,200円(月38,100円) なし(2026年4月〜)。国籍・在留資格の要件あり
私立高等学校等授業料軽減助成金 東京都(東京都私学財団) 上限43,800円 なし(保護者・生徒が都内在住)
合計(全日制・定時制等) 最大501,000円(授業料実額まで)

出典:文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」、東京都私学財団「私立高等学校等授業料軽減助成金」、東京都生活文化局の制度案内

ポイントは「上乗せ」と「上限」です。 国の就学支援金(年457,200円)では足りない授業料の一部を、東京都が最大43,800円まで補填します。2つを合わせると、都内私立高校の平均授業料相当である年50万1,000円までです。助成額は、この範囲内で実際に負担した授業料額が上限になります。施設費や積立費は授業料に含まれません。

令和8年度から、高等学校等就学支援金の費用は国が4分の3、都道府県が4分の1を負担します。これは財源の分担であり、世帯への支給上限が下がるという意味ではありません。都の年43,800円は、この都道府県負担とは別の上乗せ助成です。

授業料が年50万1,000円を超える学校では、超過分は自己負担です。「都の支援があるから授業料がすべて消える」わけではありません。

対象となる条件

以下の条件を満たす必要があります。詳細は年度ごとに東京都私学財団が案内します。2026年9月30日時点の令和8年度の案内は次のとおりです。

  • 在住要件:保護者等と生徒が、令和8年5月1日から申請時まで引き続き東京都内に住所を有していること(進学のために生徒が都外へ移り住んだ場合など、例外あり)
  • 在学要件:私立高等学校(全日制・定時制)、都認可通信制、私立中等教育学校後期課程、私立特別支援学校高等部、私立高等専門学校(1〜3年)、私立専修学校高等課程など。在学要件の基準日は申請年度の7月1日(7月2日以降に入学した場合は申請日)です
  • 都外の私立高校も対象(通信制課程は除く)。保護者・生徒が都内に住所を有していれば、都外校への通学も対象になります
  • 所得制限:なし(2024年度から撤廃。2026年4月時点も所得制限はありません)
  • 就学支援金の受給資格:都の助成金(新制度対象者向け)は、国の就学支援金(新制度)の受給資格があることが前提です。所得制限は撤廃されていますが、国籍・在留資格の要件は残っています。新制度の対象は、日本国内に住所を有し、日本国籍、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、将来永住する意思があると認められた定住者、日本の小学校及び中学校を卒業し高校等卒業後に日本で就労して定着する意思があると認められた家族滞在、などです
  • 新制度の対象外:在留資格などの要件を満たさない場合は、東京都私学財団の「外国籍等生徒の学費支援」案内のとおり、就学支援金の経過措置または高校生等・新修学支援金の対象になることがあります。在留資格が留学の新入生など、対象外の区分もあります

令和8年度の申請期間は、国の就学支援金が2026年6月1日〜6月30日、都の授業料軽減助成金(全日制・定時制等、就学支援金新制度の対象者向け)が2026年7月1日〜7月31日でした。2026年9月30日時点では、どちらも通常申請の受付は終わっています。やむを得ない事情で申請できなかった場合は、令和9年1月上旬に特別申請の期間が設けられる予定で、12月に東京都私学財団のホームページで案内されます。交付がある場合の振込時期は、都内校が2026年10月・12月・2027年3月、都外校が12月・2027年3月のいずれかです。都認可通信制の令和8年度の都助成の詳細は、2026年9月30日時点でも東京都私学財団が「決まり次第案内」としています。国の就学支援金の私立通信制上限(月28,100円・年337,200円。単位制は1単位13,668円)は、都認可通信制の案内にも示されています。

東京都私学財団の申請サイトでは、授業料軽減助成金と高校生等奨学給付金を同時に申請できます。奨学給付金は授業料以外の教育費向けで、所得要件があります。授業料軽減助成金のみなら所得確認の書類は不要です。上限額まで受けるには、国の就学支援金と都の助成金をそれぞれ別に申請する必要があります。


実際の年間費用:授業料以外の負担は続く

費用項目別の内訳

文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度版(令和8年1月16日訂正)をもとに、私立高校(全日制)の年間費用を整理します。学習費総額の全国平均は**1,179,261円(約117.9万円)**です。内訳は学校教育費832,650円、学校外活動費346,611円です。

費用項目 年間目安 補助の対象
授業料 学校により異なる(調査の保護者負担平均は279,170円) ✅ 国の就学支援金(上限年457,200円)+都の助成(上限年43,800円)。合計最大年501,000円まで
入学金(1年次のみ) 調査の入学金等は年平均80,290円。学校により約20〜30万円のことも ❌ 対象外・全額自己負担
施設整備費・施設費 約10〜20万円 ❌ 対象外・全額自己負担
教材費・教科書代 約3〜6万円 ❌ 対象外・全額自己負担
制服・体操服・指定品(1年次) 約5〜10万円 ❌ 対象外・全額自己負担
通学費(定期代など) 約5〜15万円 ❌ 対象外・全額自己負担
修学旅行・校外活動費 約5〜10万円 ❌ 対象外・全額自己負担
塾・予備校 約20〜50万円 ❌ 対象外・全額自己負担

出典:文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度版(令和8年1月16日訂正)。授業料・入学金等は調査の全国平均です。学校の募集要項の額とは異なります。

1年生は初期費用が集中する

入学初年度(1年生)は、授業料の一部が就学支援金と都の助成で補填されても、入学金・制服・指定教材の初期費用が一度に発生します。学校によっては入学初年度の総費用が150〜200万円になるケースもあります。

「授業料の支援があるから安心」と思っていると、入学時の実際の出費に驚くことになりかねません。都の助成があっても、入学金・施設費・教材費・通学費は対象外です。

学年別の年間実質負担額(目安)

学年 授業料以外の自己負担 備考
1年生 60〜100万円前後 入学金・制服等の初期費用が加算
2年生 30〜60万円前後 修学旅行等イベント費用に注意
3年生 30〜70万円前後 受験費用・塾代がピークになりやすい

※塾・予備校代を含む場合はさらに増加します。授業料が年50万1,000円を超える学校では、超過分が上乗せされます。


国の就学支援金との違いは何か

2026年4月の改正により、国の就学支援金も所得制限が撤廃されました。私立高校全日制の月額上限は**38,100円(年間457,200円)**です。では東京都の制度との違いは何でしょうか。

比較項目 国の就学支援金 東京都の上乗せ補助
補助上限 年457,200円(月38,100円) 年43,800円(国と合わせて最大年501,000円)
所得制限 なし(2026年4月〜)。国籍・在留資格の要件あり なし(2024年度〜)。都内在住などの要件あり
対象地域 全国 保護者・生徒が都内在住(都外校も対象。通信制は除く)
補助の仕組み 学校が受け取り、授業料債権に充当 就学支援金とは別に申請し、支払った授業料を助成
対象範囲 授業料のみ 授業料のみ(施設費・積立費・入学金は対象外)

東京都の強みは「上乗せ補助」にあります。 国の支援金(年45.7万円)だけでは足りない授業料の一部を、都が最大4万3,800円まで補填します。都外の自治体では国の就学支援金のみとなることが多く、授業料が上限を超える場合は差額を自己負担しなければなりません。

一方で、都の助成を加えても上限は年50万1,000円です。授業料が高い学校では、超過分が残ります。都の支援があることを「完全に費用がなくなる」という意味で捉えないでください。


PR / 家計・教育費の相談窓口

教育費の無料相談 お金のプロ(FP)に教育費の不安を無料で相談する
  • 就学支援金・補助金を踏まえた家計の見直しを提案してもらえる
  • 教育費と老後資金のバランスを第三者の視点でチェック
  • 相談は何度でも無料・オンライン対応
FPに無料で相談する →

※ 掲載サービスはアフィリエイト提携を含みます

よくある誤解 Q&A

Q. 入学金も支援の対象になりますか?

なりません。入学金は就学支援金・東京都の授業料軽減助成金ともに対象外です。就学支援金は授業料のみが対象です。文部科学省の学習費調査では、私立高校の入学金等は年平均80,290円です。学校によっては20〜30万円程度になることもあり、全額自己負担です。

Q. 都内に住んでいれば都外の私立高校でも対象ですか?

2026年4月時点では、保護者等と生徒が都内に住所を有していれば、都外の私立高校も対象です(通信制課程は除きます)。東京都生活文化局と東京都私学財団が、都外校への通学も対象になると案内しています。国の就学支援金はもともと全国一律です。通信制の都認可外校は、別制度(私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金)の案内を確認してください。

Q. 授業料が就学支援金の上限より安い学校でも対象ですか?

はい、国の就学支援金の対象にはなります。授業料が年457,200円以下であれば、国の就学支援金で授業料相当が賄われることが多く、その場合は都の授業料軽減助成金の交付対象外となり、都への申請は不要です。都の助成は、国の支援だけでは足りない授業料を補うための制度です。

Q. 手続きは自分でする必要がありますか?

国の就学支援金と都の授業料軽減助成金は、それぞれ別に申請が必要です。都の助成は毎年度(学年1回)申請します。申請期間を過ぎると受け付けできません。上限額まで受けるには、両方の申請が必要です。令和8年度の通常申請は、国が2026年6月1日〜6月30日、都(全日制・定時制等)が2026年7月1日〜7月31日で、2026年9月30日時点ではどちらも受付期間外です。特別申請は令和9年1月上旬の予定です。学校が自動で両方を処理するわけではありません。

Q. 所得が高くても本当に対象ですか?

2024年度から所得制限が撤廃され、2026年4月時点でも所得制限はありません。年収の多寡だけで外れる制度ではありません。ただし、都内在住・在学要件に加え、国の就学支援金側には国籍・在留資格の要件があります。所得制限がないことを「条件なしで全員が受け取れる」という意味では捉えないでください。最新情報は東京都私学財団の公式ページと東京都生活文化局の案内でご確認ください。


あなたの家庭の実質負担額をシミュレーション

就学支援金を差し引いた後の実質負担は、年収・人数・学校種で変わります。

無料でシミュレーションする →

登録不要・5分で完了

出典・参考資料

関連記事

自治体の補助金を考慮した、あなたの家庭の実際の教育費は?

無料でシミュレーションする

登録不要・5分で完了