学資保険 vs 投資信託 18年間の損得を試算比較【2026年版】
結論:純粋な資産形成なら投資信託が有利——ただし「保障」目的なら学資保険にも合理性がある
18年間・同額を積み立てた場合、返戻率ベースで比べると学資保険は105〜108%、投資信託(年利5%想定)は約234% と大きな差が生まれます。
ただし、「どちらが得か」は家庭の状況によって変わります。
- 親に万一のことがあった場合のリスクを保険でカバーしたい → 学資保険が合理的
- 純粋に18年間の資産最大化を目指す → 投資信託(つみたて投資枠)が有利
- 両方の目的を一度に果たしたい → 生命保険+投資信託の組み合わせ
この記事では数値で比較しながら、家庭に合った選択基準を解説します。
学資保険とは:仕組みと返戻率の実態
学資保険は「子どもの教育費を積み立てる貯蓄型保険」です。毎月の保険料を支払い続けると、大学進学のタイミングなどで満期保険金を受け取れます。
主要な学資保険の返戻率(2026年版)
| 保険会社 | 払込期間 | 月額保険料目安 | 満期保険金 | 返戻率 |
|---|---|---|---|---|
| JA共済(こども共済) | 17歳払済 | 約17,000円 | 約370万円 | 約108% |
| かんぽ生命 | 18歳払済 | 約15,000円 | 約300万円 | 約104% |
| ソニー生命 | 17歳払済 | 約17,500円 | 約382万円 | 約108% |
返戻率は「払込総額に対して何%戻るか」を示します。105〜108%前後が現在の水準です。
学資保険の主なメリット
1. 契約者(親)が死亡・高度障害になった場合、以降の払込が免除される
これが最大のメリットです。万一があっても教育費が確保されるため、特に幼い子どもを持つ共働き世帯には有効な保障です。
2. 強制的に積み立てられる
保険料の未払いは失効につながるため、「使い込む心配がない」というメリットもあります。
3. 満期保険金は確定している
元本が保証されており(払い込んだ分以上戻る)、相場変動のリスクがありません。
学資保険のデメリット
- 途中解約すると元本割れする
- インフレに弱い(名目額は増えるが実質購買力は下がる可能性)
- 返戻率が低く、長期の資産形成には非効率
投資信託(つみたてNISA)とは:仕組みと期待リターン
NISA口座を使った投資信託の積み立ては、株式インデックスファンドを毎月一定額購入し続ける方法です。2024年からの新NISAではつみたて投資枠(年120万円上限)で長期積み立てができます。
18年間・月1万5,000円積み立てた場合のシミュレーション
| 年利(想定) | 積立元本 | 18年後の評価額 | 運用益 |
|---|---|---|---|
| 0%(銀行預金) | 324万円 | 324万円 | 0円 |
| 3%(保守的) | 324万円 | 約430万円 | 約106万円 |
| 5%(標準的) | 324万円 | 約561万円 | 約237万円 |
| 7%(楽観的) | 324万円 | 約736万円 | 約412万円 |
※ NISA口座では運用益が非課税。通常は利益の約20.315%が課税されます。
過去20〜30年の全世界株式インデックス(MSCI-ACWI相当)の平均年利は5〜8%程度でした。ただし将来の成績を保証するものではありません。
投資信託のメリット
- 長期的には学資保険より高いリターンが期待できる
- NISAで運用益が非課税
- いつでも換金できる(流動性が高い)
- インフレに強い
投資信託のデメリット
- 元本割れリスクがある
- 相場が下落したまま大学入学を迎える「シーケンスリスク」がある
- 万一の場合の保障機能がない
18年間・同額を積み立てた場合の直接比較
月1万7,000円を18年間積み立てた場合(総積立額:約367万円):
| 比較項目 | 学資保険(返戻率108%) | 投資信託(年利5%想定) |
|---|---|---|
| 18年後の受取額 | 約396万円 | 約662万円 |
| 増加額 | 約29万円 | 約295万円 |
| 増加率 | 108% | 約180% |
| 元本割れリスク | なし | あり |
| 親の万一時の保障 | あり(払込免除) | なし |
| 途中解約 | 元本割れ | いつでも可 |
シーケンスリスクへの対策
投資信託の最大のリスクは「大学入学直前に相場が急落した場合」です。
対策:子どもが中学生・高校生になったら段階的にリスクを下げる
- 小学生まで → 株式インデックスファンドで積み立て継続
- 中学生 → 新規積み立てをバランス型ファンドに切り替え
- 高校生 → すでに積み立てた分を現金・債券に徐々に移行
「出口戦略を最初から組み込む」ことで、シーケンスリスクを管理できます。
どちらを選ぶべきか:判断フロー
Q1. 親(特に主な収入担当者)に万一のことがあっても
教育費を確保したい?
→ はい → 学資保険の「払込免除」機能を優先検討
→ いいえ → Q2へ
Q2. 投資元本が一時的に減るリスクを受け入れられる?
→ はい → 投資信託(NISA)が有利
→ いいえ → 学資保険(または定期預金)
Q3. 両方の目的を持ちたい?
→ 掛け捨て生命保険(月数千円)+投資信託の組み合わせが
コスト効率が高い場合が多い
よくある Q&A
Q. 学資保険はすでに入っている。今から投資信託も始めるべき?
A. 可能であれば並行がおすすめです。学資保険で「最低限の確定額」を確保しつつ、NISAで上乗せを狙う戦略は、リスク分散の観点から合理的です。
Q. 学資保険を途中解約して投資信託に乗り換えるべき?
A. 解約返戻金が元本を割っている場合、乗り換えは損確定になります。加入から日が浅い場合(2〜3年以内)は検討の余地がありますが、長期加入後の解約はほぼメリットがありません。まず解約返戻金の試算を保険会社に依頼してください。
Q. ジュニアNISAはもう使えない?
A. ジュニアNISAは2023年末で廃止されました。現在は親名義の新NISAを教育費目的で活用するのが主流です。
Q. 証券口座はどこで開くべき?
A. 手数料・ファンドラインナップ・使いやすさから、SBI証券・楽天証券・マネックス証券あたりが選択肢になります。FP(ファイナンシャルプランナー)への相談も有効です。
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