子ども2人が同時に大学生:教育費が重なる時期の家計シミュレーション
結論:2人同時に大学生の期間は年間300〜600万円の教育費がかかる——事前の積み立てが不可欠
子どもが2人いる家庭で最も家計が厳しくなるのが、2人が同時に大学に在籍する期間です。
年齢差によって重なる年数は変わりますが、私立大学進学・一人暮らし想定の場合、この期間の年間教育費は300〜600万円超に達することがあります。
事前のシミュレーションと積み立てなしに、この時期を乗り越えることは非常に難しいです。
この記事では年齢差別のシミュレーションと、今からできる資金準備の戦略を解説します。
子どもの年齢差で変わる「重なり期間」
大学在学期間は一般的に4年間です。年齢差によって以下のように重なります。
| 年齢差 | 第1子・第2子の重なり | 同時在学年数 |
|---|---|---|
| 1〜3歳差 | 第1子の在学中に第2子が入学 | 1〜3年間 |
| 4歳差 | 第1子が4年生・第2子が1年生 | 1年間 |
| 5歳差以上 | 入れ替わりで重ならない | 0年間 |
3歳差が最も一般的で、1〜3年間の同時在学期間が生じます。
年齢差別・重なり期間の費用シミュレーション
前提条件
- 第1子・第2子ともに私立文系大学に進学
- 一人暮らし(仕送り月10万円)
- 年間学費(授業料のみ):約82万円
- 年間仕送り:約120万円
- 年間教育費(1人あたり):約200万円
3歳差の場合(重なり3年間)
| 第1子 | 第2子 | 1年間の教育費 |
|---|---|---|
| 大学2年 | 大学1年(入学) | 約350万円(入学金含む) |
| 大学3年 | 大学2年 | 約400万円 |
| 大学4年 | 大学3年 | 約400万円 |
3年間の合計:約1,150万円
2歳差の場合(重なり2年間)
| 第1子 | 第2子 | 1年間の教育費 |
|---|---|---|
| 大学3年 | 大学1年(入学) | 約350万円 |
| 大学4年 | 大学2年 | 約400万円 |
2年間の合計:約750万円
4歳差の場合(重なり1年間)
| 第1子 | 第2子 | 1年間の教育費 |
|---|---|---|
| 大学4年 | 大学1年(入学) | 約350万円 |
1年間の合計:約350万円
家計収支への影響:世帯年収別のシミュレーション
世帯年収800万円の場合(月手取り約50万円)
重なり期間の月教育費(3歳差・ピーク時):約33万円
| 支出項目 | 月額 |
|---|---|
| 教育費(2人分) | 33万円 |
| 住居費 | 10万円 |
| 生活費 | 12万円 |
| 保険・積み立て | 3万円 |
| 合計 | 58万円 |
| 手取り収入 | 50万円 |
| 月次収支 | ▲8万円(赤字) |
年収800万円でも、重なり期間は毎月8万円前後の赤字になります。この赤字を吸収するためには、事前に積み立てた資金の取り崩しが必要です。
世帯年収1,000万円の場合(月手取り約62万円)
| 支出項目 | 月額 |
|---|---|
| 教育費(2人分) | 33万円 |
| 住居費 | 12万円 |
| 生活費 | 13万円 |
| 保険・積み立て | 3万円 |
| 合計 | 61万円 |
| 手取り収入 | 62万円 |
| 月次収支 | +1万円(微黒字) |
世帯年収1,000万円であれば、ほぼ収支トントンで乗り越えられます。
多子世帯向けの補助制度
2025年度から、子ども3人以上の世帯を対象に大学修学支援新制度が拡充されています。
多子世帯の修学支援新制度(2025年度〜)
- 扶養する子どもが3人以上いる場合、第3子以降は所得に関わらず授業料等の減免を受けられる
- 減免上限額:国立大学の場合、授業料の実質無償化に近い水準
ただし、この制度は「同時に扶養している子どもが3人以上」の期間のみ対象です。子ども2人家庭は対象外となります。
出典:文部科学省「高等教育の修学支援新制度の拡充(多子世帯)」
ダブル大学生期間を乗り越える資金戦略
戦略1:子どもが生まれた時点から「2人分の大学費用」を積み立てる
1人分の大学費用(私立文系・仕送りあり):500〜700万円 2人分:1,000〜1,400万円
0歳スタート・年利3%で2人分1,000万円を積み立てる場合の月額:約3万3,000円(月約1.65万円×2人)
戦略2:第1子の大学費用が終わったら第2子に回す
年齢差が4歳以上あれば、第1子の大学費用を払い終えた後に第2子の費用が始まります。資金が重ならないため、負担が分散されます。
戦略3:重なり期間を「取り崩し期」と定め、年間収支計画を立てる
重なり期間(例:3年間)だけ、毎年100〜200万円を取り崩す計画を立て、それを見越した事前積み立てを行います。
よくある Q&A
Q. 2人が同じ大学に進学した場合、学費が割引になる制度はある?
A. 一部の大学では兄弟・姉妹割引を設けていますが、国公立大学には原則ありません。また、割引幅は大きくないため、それほど期待しすぎないほうが無難です。
Q. 片方を国公立大学に進学させれば費用は大幅に下がる?
A. はい、大きく変わります。国公立・自宅通学であれば年間費用は80〜100万円程度です。私立文系・一人暮らしと比べると1人あたり年間100万円以上の差があります。
Q. 重なり期間に住宅ローンも重なる場合は?
A. 住宅ローン・教育費・生活費が重なる時期は家計の最大ストレスポイントです。この期間に備えて、大学入学前に繰り上げ返済でローン残高を減らしておくことが有効な対策のひとつです。
Q. 奨学金を借りることを前提にした計画は現実的か?
A. 日本学生支援機構の給付型奨学金(修学支援新制度)や大学独自の奨学金を前提に設計することは合理的です。ただし「必ず受けられる」ことを前提にせず、受けられなかった場合の代替プランも準備してください。
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